Episode0 : 【活動の起源】

あそビルドのみなもと。

うたこさんの物語

「あそビルド」発想の源は私が10歳の時の「暮らしは物語」というひらめきからうまれたものです。

 

一人ひとりの人生は一冊の本のような物語なのだ、その物語がよりその人らしくキラキラ輝くためにはどうすればよいのだろう?


子どもの時のこの疑問がSocial Welfare(しあわせな社会のありかた)への興味に繋がっていきます。


子ども時代の私は、自分を素直に表現できる人間ではありませんでした。"表現"は私にとって関心が高く、"しあわせ"であることに深く結びつく一貫したテーマです。

 

大学で社会福祉を学び、在学中に子どもとアートのワークショップに出会いました。子どもの創造力が社会を豊かにする仕掛けになったら面白いのではと、私なりのSocial Welfare(しあわせな社会のありかた)の糸口です。


卒業後、野外活動団体や子どものための博物館などのお仕事に携わり、各地の子どもにまつわる活動を実際に訪ね、多様な遊びの場のあり様を知れました。



教育の語源はラテン語のe-ducate(外に引き出す)であるそうです。


表に現る"表現"と、外に引き出す"教育"、本来のその人のちからを輝かせる"エンパワメント"(社会福祉の学びで知れた考え方)、どれも同じことをいっているのかもしれない...?


...だんだんと学んできたことが私の中で繋がりはじめます。


どうしたら、目の前の子どもたちからありのままの力が放たれるだろう...?


...だんだんと、遊びを提案する中での自分のできる役割がつかめてきました。


持ち前の感性をもとに、より子どもを理解していくために、幼児教育や、科学に基づく発達の理解を学び、知見を深めました。また、ヴォーカルトレーニングなどで自分の表現力を磨き、少しでも子どもたちから豊かな想像力が引き出されるように自身も1人の“表現者”で在れることを日々こころがけています。


私の"表現"は子どもたちと交流する媒体だからです。


そして、もうひとつ、私ににとっての"しあわせ"の記憶...もささえとなりました。


私は子ども時代、どこか“こどもらしくないこども”だったのか、学校生活の集団行動に馴染めずにいました。そんな子ども時代に私の側で応援し続けてくれたのが、日常の中で小さな幸せをみつけるのが上手な“おばあちゃん”(祖母)でした。

 

“おばあちゃん”は私の描く絵や創るモノ、思いつくコトをいつも面白がってくれ、私が創ったモノは次に会う時までいつも大切に部屋に飾っていてくれました。

 

1人で過ごすことが多かった私が遊びに行くと、いつも、氷がふたつはいったカルピスを小さなグラスにつくってくれて、程よく距離をとりながら、とことん私の想像の世界に付き合って一緒に楽しんでくれたのです。

 

そんな“おばあちゃん”はよく“七転び八起き”と私にことばをかけてくれました。最近になって知れたことですが、祖母の人生こそ“七転び八起き”そのもので、そんな中、孫娘である私にいつも温かく優しく関わってくれたとても芯の強いひとだったのです。私はずっと自分は“こどもらしくないこども”だったと思っていましたが、祖母がいてくれたことで、自分中心の世界で思いっきり遊べる自由をもらえた“こども”の時間をちゃんと生きることができたのだと、大人になって祖母のやさしさにふれる度に感謝します。

 


外から身を守るように"こども"時代に自分の内側に想像力で築き上げた独自の世界の扉を開けることはとても勇気がいることでした。祖母との"しあわせ"の記憶と、これから、きっともっと面白くなる!との直感と好奇心が風のように私を動かしていき、外の世界とつなげてくれました。


自分の心の中の気持ちや頭の中で思い描いているイメージを表に表すことから始まるなにかを大切にしていこう。


今の自分がなにを感じ、なにを伝えたいか、どうやったら伝わるかを試行錯誤しながらも積極的に人と関わる中で表現し始めたように思います。


旅人のようにひとつひとつの景色に感動し、心動かし、体験を掘り下げて、丁寧に自分なりに向き合ってこれたのはとてもよかったと感じてます。世間知らずというか、天真爛漫というか、意固地というか、はちゃめちゃな20代の私、この時期に出会えた周りの人たちの温かさやご指導に本当に感謝です。

 

私の20代は多くの時間を、いろんな子どもたちと一緒に遊ぶことや子どもたちの世界を知ることに夢中となりすすんでいきました。そして、その時間の中で、子どもが実にたくさんのことを遊びの世界の中で学んでいることを私は実感できました。

今ふりかえると、この時期に子どもたちの気持ちに感覚的に寄り添え交流できたのは、自分の"こども"時代にやりたかったことを叶えていくかのようにいっしょに遊ぶことを心から天真爛漫に楽しめたからだと思えます。

自分にとっての"表現"ってなんだろう?
...新しい疑問が芽生えます。それは今はまだわかりません。

これから活動をすすめていく中で、私の"表現"は、掴んでいけるのでしょうか。


そして、きっと、子どもという存在について、子どもをとりまく世界について、私自身の在り方について、それらの理解や向き合い方はきっと変化し、進化していくだろうと思います。


わからないから、探究し続けるそのスピリットを大切に、その時々を自分のできるその瞬間の等身大をこれからも大事にしたいです。

 このHPは私自身の記憶のために記録することを目的として、自分のこれからの活動の軌跡を綴っていきます。

 

私の今の活動の原点は子どもの時の自分のひらめきです。そんな風に、今、子ども時代を生きる子どもたちに自分の好きなことをみつけ、自分のひらめきを信じて挑戦すれば大人になったらもっともっと楽しめるよ!と自分の未来へワクワクする希望や夢をもって成長してほしいと願います。私は「ゆかいな大人」として身をもって伝えていくそんな存在でありたいなと思います。

 

 

遊びで創る暮らしの発想

あそび×セルフビルド

「あそビルド」